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話題の小説「首都感染」を読んでみました。 [読書]

今、話題になっている小説「首都感染」高嶋哲夫 講談社 2010.12出版を図書館で借りて読んでみました。

今世界でパンデミックとなっている新型コロナウィルス covid 19と比較してリアリティがある小説なので感想を書いておこうと思います。


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小説の新型ウィルスH5N1型鳥インフルエンザは中国雲南省で発生し、発生時に行われていたサッカーのワールドカップのため瞬く間に世界へ広がったという設定です。しかし、covid 19と驚くほど状況が似ています。ですから、これは小説といいながら予言ではなく、専門家なら想定の範囲内のことが書かれているのだと思います。


例えば、ウィルス発生初期に中国政府がこれを隠蔽したため世界中に拡大してしまった。日本は中国からのチャーター便に乗っていたサッカー観戦乗客(中国在住の日本人ではなく)を5日間(14日間ではなく)隔離して国内蔓延を防ごうとしたが、中国での感染拡大を恐れて日本へ避難した大使館員(武漢市民でなく)から感染が拡大した。日本は感染拡大を始めた東京(武漢市ではなく)を封鎖して全国へ広がることを食い止める。財務省は休業した店への補償は行わない。日本のやりかたは「日本モデル」(北海道モデルではなく)といわれる。このウィルスは実は兵器として開発していたものが漏れてしまったというデマが広がる。etc


小説が現実を真似たのか、現実が小説を真似たのかよくわかないくらいですね。日本では武漢市の封鎖を驚きの報道で伝えられました。しかし、この小説は事実をもとに書かれていますから、おそらく専門家の間では都市封鎖は常識的なことだったのでしょう。


日本ではロックダウンは憲法上できないと言っていますが、小説では首相が国会も東京都知事の意向も無視してロックダウンします。では現実の欧米はどのようにしてロックダウンしたのでしょう。詳しく報道されていませんが、あとで調べたいところです。


ウィルスの検査も小説では看護師でもできる簡易検査キットで分類したあとPCR検査で確定することになっています。なぜ現実の日本では簡易検査を行わないことを選択したのでしょう。専門家は簡易検査キットの存在を知っていたはずですが、日本では開発していません。おそらく欧米は簡易検査キットを使って感染者を特定しているのだと思います。「医療崩壊を防ぐ」という言葉だけでは説明が不十分だと思います。


日本では3月19日の第2回専門家会議の提言(これが国民の心の緩みの原因と思われます)の直前に厚労省が大阪と兵庫に往来の抑制を依頼しています。同時に東京にも同じ依頼をしていたはずだという噂もあります。

つまり専門家会議で緩みの提言がなされる一方で一部の専門家は感染爆発の兆候を捉えていた可能性があります。公表されているデータでは読めない何らかの事実を把握していた可能性があるのではないでしょうか。


まだまだ日本では終息がみえないcovid 19ですが、小説を読んで数々の疑問が湧いてきます。

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